投影光のボケを利用した3次元形状計測
レンズのボケを利用してシーンの奥行きを推定する手法はDepth from Defocus(DfD)として 知られ,実時間計測が可能な手法の一つとして近年も盛んに研究されている.本研究では, 符号化開口を装着したプロジェクタの投影光のボケを利用する.ドットマトリックスパターンを 投影し,逆畳み込みを用いて観測された画像のボケ量を解析することで輝点ごとの奥行きを 求める.また,プロジェクタへの使用を想定したDfD用符号化開口を遺伝的アルゴリズムで設計 することにより,既存の類似DfD手法より曖昧さの少ない奥行き計測を実現した.本研究の特徴は 以下の通りである.
  • ボケを利用するDfD手法のため,合焦領域外で奥行きを計測できる.将来,一般的な アクティブ計測法と組み合わせることで,計測レンジを従来より広げることができる
  • ベースラインが不要なDfD手法であるため,コンパクトな装置を実現できる.
  • 符号化開口を利用することで通常のDfD手法より精度が高められる
図1:光学系の模式図と試作した装置 図2:実機による自由形状物体の復元


Publications
[1] 堀田 祐樹, 小野 智司, 川崎 洋, 木村 誠, 高根 靖雄 "符号化開口を用いたプロジェクタ・カメラシステムによるボケを利用した3 次元計測手法" 電子情報通信学会論文誌, J96-D, pp.1823-1833, 8.2013

[2] Hiroshi Kawasaki, Yuki Horita, Hitoshi Masuyama, Satoshi Ono, Makoto Kimura, Yasuo Takane "Optimized Aperture for Estimating Depth from Projector’s Defocus" International Conference on 3D Vision (3DV2013), pp.135-142, 6.2013
Kawasaki Laboratory